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特定キャリアのみを取り扱っている場合、販売代理店の収益はその携帯電話キャリアの好調不調に大きく左右される。 大手広域系の代理店の中には上場している企業も多く、安定した成長が求められるため、量販店や併売店の取り込みによるキャリアバランスの確保も重要となるのである。

特にMNP導入後はユーザーの流動性が高まり、短期的な個別キャリアの好調不調の波が今以上に大きくなると考えられるため、キャリアバランスをとっておくことは販売代理店にとって、より重要な要素となるであろう。 これまでは、大手広域系代理店による中規模以下の代理店買収が中心であったが、上記を踏まえるならば、今後は大手代理店同士の合併も起こり得るであろう。
販売代理店には、今後のMNP導入に期待する声が大きい。 はたして、MNPの導入は販売代理店に中長期にわたって収益をもたらすであろうか。
確かに韓国のように、MNP導入を契機として携帯電話キャリア間で顧客獲得が過熱した場合には販売手数料も積み増され、携帯電話ユーザーの流動率の高まりに伴い端末販売数も増加するため、販売代理店の収益は大きく増加すると考えることもできる。 しかし、日本においては、MNP導入に前後して価格破壊型の事業者の新規参入が想定される。
新規参入者との競争激化により、携帯電話キャリアのARPUはさらに減少するため、収益性は悪化し手数料支払い余力はさらに厳しいものになるであろう。 そのため、MNP導入による販売手数料の積み増しは、起こったとしても一時的なものと思われる。
またMNPの導入はユーザーの端末購買行動にも変化をもたらすであろう。 MNPを利用するユーザーは、量販店や併売店での各キャリアの端末やサービスの比較検討を望むであろう。
そのため、現在キャリアショップは機種変更を中心とした端末の安定需要を享受しているが、この安定需要の一部は、MNPの導入により、集客力を持つ大手の量販店や併売店に流出するものと見られる。 特にキャリアショップは、現在のユーザー基盤がもたらす安定した収益に安住することなく、さらなる販売強化や顧客囲い込みの施策が求められる。
これまで販売代理店は、規模の拡大を前提として携帯電話キャリアの販売代行の役割を担ってきた。 しかし、今後のキャリアの手数料政策の転換に伴う総額の削減や支払い先の選択と集中、さらにMNP導入や新規参入によるユーザーの流動性上昇の市場環境下では、本業である端末販売事業にせよ、独自収益源となるモバイル系ソリューション事業にせよ、いかにユーザーに選ばれる存在となるかが、さらなる成長を遂げるのに重要な要素となる。

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